社長の独り言
〔藻類培養事業の利益性〕
(一つの装置・一つの藻類が生み出す各種の利益)
私が当初より培養装置開発にこだわって来たのには大きな理由があります。
それは藻類の世界には十万種類とも言われる多様性があり、そのそれぞれが異なる成分を有しています。
その中には今回の弊社がメインに据えているフコキサンチンを始め、これまでの藻類研究者の先達たちが突き止めて来たあらゆる有用希少成分が存在します。
しかし、既存の培養装置では屋外屋内を問わず、培養出来る藻類の種類はほぼ一桁に限定されます。(※なぜそうなるのかは、また別の機会に、、)
多様性が十万種類もありながら、その殆どが未開拓のまま眠っているのです。
当然ながら十万種類の未開拓の植物は医薬品開発の宝庫です。
ですので、限りなく十万種類全ての藻類の培養に、汎用性と適合性を持った培養装置の開発を基本として事業を推進する、それが私が装置開発にこだわり、そこを推し進めて来た原動力です。
これまで数種類に限定されて来た藻類の可能性が、十万種類に拡大する事の事業の発展性には疑問の余地はありません。
そしてこの汎用性が引き出す藻類培養事業における利益にはまた別の側面があります
これまでの藻類培養は十万種類の中から、既存の培養方法で培養出来るものを探すと言うパターンでした。
どの藻類を取っても栄養豊富ですので、新たなサプリの誕生となる訳ですが、この場合は生産された藻類バイオマスをそのまま錠剤に加工して摂取するしか方法がありません。
しかし、優れた装置が開発され、あらゆる藻類の培養に汎用性がもたらされると、今度はこれまでの世界の研究者による藻類の内容成分に関する研究成果から、特筆すべき・大きな市場性を持った希少成分を含有する藻類種をこちらで選択して培養する事が可能になります。
既存の培養装置でどの藻類が培養出来るかを探すのではなく、この藻類のこの成分を生産したいので、この藻類を培養すると言う具合に培養藻類種をこちらが能動的に選べるようになるのです。
ここまでの内容だけでも培養装置開発の重要性は十分認識して頂けると思いますが、藻類培養事業の場合はそれに留まりません。
まず藻類培養 = CO2削減は必ずセットです。
そして、フコキサンチンを始めとする医薬品開発に極めて近い希少成分を藻類バイオマスから抽出する訳ですが、大概の場合は利用出来る希少成分は一つではありません。
フコキサンチン生成藻類を例にとると、まずはフコキサンチン、完全植物由来のEPA、各社多糖類、希少たんぱくなど多種多様で、これらが全て商品化出来ます。
そしてそれらを抽出した後の残渣にもまだ豊富な栄養素が残っているので、それを家畜飼料・魚の陸上養殖の飼料等に使用する事で、家畜・海産物の健康状態及び肉質の向上、飼料の自給率の向上、地域での産業の創出などあらゆる面でメリットを生み出します。
そして利益化出来るポイントが増えれば増える程、一つ一つの素材としての単価も下がり、事業としての成立の可能性や競争力が上がります。